子育て、介護…多様な働き選択
経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議であいさつする安倍首相(右から2人目)(22日午後5時21分、首相官邸で)=吉岡毅撮影
安倍首相は22日、政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で、長時間労働を見直し、多様な働き方ができる制度を検討するよう関係閣僚に指示した。
少子化で生産年齢人口が減る中で、労働市場を活性化し、経済成長を促す狙いがある。
「成果で評価する制度を」
「持続的に成長するため、すべての国民が能力を最大限発揮できるよう、柔軟な働き方を実現していきたい」。
安倍首相は合同会議でこう述べ、子育てや介護など労働者の事情に合わせた働き方ができるように、制度の見直しを求めた。
合同会議では、民間議員が、労働基準法の要件を前提に、労働時間ではなく、成果を労働管理の基本とする新たな制度の導入を求めた。
具体的には、高度な能力を持ち、自律的に働きたい社員を対象に、労働時間のやりくりや仕事の進め方を個人の裁量に委ねる。
企業は、事前に設定した職務内容の達成度に応じて報酬を支払う。
おおむね1000万円以上の年収があることを想定し、本人の希望で選択できる。
無理な労働にならないよう、企業は就労状況を細かく把握し、健康管理に努める。
これと似た制度として一定水準以上の高収入の会社員らを対象に、労働時間を自由にする代わりに、残業代をゼロにする「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」がある。
第1次安倍政権で、導入を目指したが、賃金抑制につながるといった批判もあり、断念した経緯もある。
安倍首相は、合同会議で「時間ではなく、成果で評価される働き方にふさわしい新たな労働時間制度の仕組みを検討してもらいたい」と指示した。
このほか、厚生労働省が、始業と終業時間を自由に選べるフレックスタイムの活用を提案した。
また、職場に出勤せず、インターネットなどを使って自宅で働く「在宅テレワーク」も活用するよう求めている。
政府はこうした制度でも対応できない場合のために、労働時間の限度に縛られない働き方の検討を始める。
男性がワーク・ライフ・バランスを実現することや、有給休暇の強制的な取得、非正規社員の職業訓練の充実なども提案された。
政府が、労働市場の改革に力を入れるのは、少子化で生産年齢人口の減少に歯止めがかからないためだ。
日本の雇用は、定年まで同じ会社で働く終身雇用が主流で、勤続年数を積めば、給料が増える。
長時間労働や会社の都合による配置転換を余儀なくされるケースも多い。
画一的な働き方を押しつけられれば、育児や介護で実働時間が限られる女性らは働きづらい。
多様な働き方を選べるようにし、女性や若者、高齢者らが働きやすい環境を整えなければ、持続的な成長は難しい。
政府は、労働市場の活性化を6月にまとめる新たな成長戦略の目玉の一つにしたい考えだ。
日本総合研究所の山田久氏は「働く時間と生活する時間を管理しやすくする制度は必要だが、長時間労働を強制しないような条件設定が重要だ」と話している。
(栗原健)
2014年04月23日
09時29分
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