新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が政治資金規正法違反に問われた陸山会事件の1審無罪判決に対する控訴審が26日、東京高裁で始まる。
 検察官役の指定弁護士が、1審後に事情聴取した秘書経験者の証人尋問が認められるかどうかが焦点となる。指定弁護士は代表と秘書の上下関係を改めて強調したい考えだが、高裁が尋問を認めなければ、控訴審は1回で結審する見通しだ。
 小沢代表は昨年1月に強制起訴され、16回の公判を経て、今年4月に東京地裁で無罪となった。判決は、代表の事件への一定の関与は認めたものの、政治資金収支報告書の記載は適法だと認識していた可能性があるとして、同会元事務担当者の石川知裕衆院議員(39)(1審有罪、控訴)らとの共謀を否定した。
 指定弁護士は控訴後、有罪立証を補強するため、代表の事務所関係者を事情聴取し、秘書を経験した女性と男性の調書を作成した。2人は2000年頃まで事務所に勤務し、男性はその後に衆院議員も務めた。
 2人は「代表は事務所費の細かい点までチェックしていた」「速やかに仕事の報告をしないと厳しく叱責された」などと供述。指定弁護士側は、これらの調書を「代表は石川被告から土地取引の細かな経緯まで報告を受けていなかった」とする1審判決の認定を崩す“武器”と位置付けていた。
 しかし、代表の弁護側が「00年までの秘書業務一般について語っているに過ぎず、04〜05年分の起訴事実とは関連性がない」として、証拠採用に不同意としているため、調書が証拠採用される可能性は低い。
 このため、指定弁護士は秘書経験者を証人申請する予定だが、控訴審で新たな証人尋問が認められるには、1審では申請できなかった「やむを得ない理由」が必要とされる。1審で、証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きが18回も行われた今回の事件で、高裁が認めるかどうかは不透明だ。
(2012年9月23日14時14分
読売新聞)

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