「いったい、どんな人なんですか?」
取材先の世界銀行関係者から逆に聞き返された。
それほどの衝撃だった。
国際機関のトップでも近年まれに見る「サプライズ人事」だったといっていい。
世銀が6月末で退任するロバート・ゼーリック総裁(58)の後任に内定したジム・ヨン・キム米ダートマス大学長(52)のことだ。
自慢できたものではないが、私だけではなく、どの米メディアも蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
■オバマ大統領の奇手
世銀総裁は米国がこれまで「独占」してきた。
国際通貨基金(IMF)と並ぶ国際金融機関の世銀のトップは、米国にとって、世界戦略の上でも欠くことのできない重要なポストだ。
IMFと世銀の双方とも米国が最大出資国だが、米国は同盟関係のある西欧にIMFのトップを譲り、その代わりに世銀を押さえることで、戦後のブレトンウッズ体制に基づく世界経済を支配してきた。
これに対して新興国や途上国から不満が高まっていたが、米メディアはどこ吹く風で、ローレンス・サマーズ元財務長官(57)やヒラリー・クリントン国務長官(64)ら米政財官の各界の大物を候補に取り沙汰するのに忙しかった。
だが、バラク・オバマ大統領(50)が自国の候補に指名したのは、韓国系米国人で医師出身のキム氏。
途上国の結核治療の普及に貢献し、世界保健機関(WHO)ではエイズ撲滅運動にも尽力した経歴に、新興国や途上国も反米批判の勢いをくじかれた。
オバマ政権が人選に難航した末の苦肉の策との観測も伝わるが、結果的に奇手が功を奏した格好だ。

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