9か国と協議一巡
 政府は21日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けた豪州との事前協議を行った。
 同日には米国と2回目、23日にはニュージーランドと初の協議を予定し、参加9か国との協議が一巡する。これまでの協議で、公的医療保険制度の廃止を求められるといった懸念は払拭されつつあるが、農産物の市場開放などを巡る事前協議は難航も予想される。
懸念払拭
 古川国家戦略相は21日、閣議後の記者会見で、米国との協議について、「質問リストも出し、考え方を問いただす」と強調し、国内で懸念されている点について、米国に問いただす考えを明らかにした。7日に開かれた1回目の協議で、米国は公的医療保険制度の廃止や単純労働者の受け入れは求めないと明言した。今回の質問リストは「食品の安全基準に対する米国の姿勢などを細かく列挙した」(通商筋)という。
 1月から順次行われている事前協議では、TPP交渉の「実態」が次第に明らかになっている。
 関税撤廃の例外設定を巡る議論は合意していないため、コメなどの関税を残せる可能性もある。交渉は全体の3割ほどしか進んでいないとの声もあり、日本がルール作りに関与できる余地も大きいとみられる。交渉の詳細は参加国以外には公開されないため、「情報が少なく、過剰な懸念が独り歩きしてきた」(政府関係者)ことが分かった。
 政府は来週後半にも協議結果を踏まえ、TPPに含まれる21分野の交渉状況などを公表する方針だ。
試金石
 乳製品や肉類などの日本への輸出を目指す豪州、ニュージーランドとの協議では、農業分野を含め、日本の貿易自由化への姿勢が改めて問われる見通しだ。豪州は日本のTPPへの関心を歓迎したが、参加についてはすんなりとは認めず、継続協議となった。
 日本は、17日まで開かれていた日豪経済連携協定(EPA)交渉で「コメや小麦、乳製品などの重要品目は守る」との姿勢を崩さなかった。ニュージーランドとのEPAは、日本が拒否し続けてきた経緯もある。
 日本国内では、農業関係者のほか与党内にもTPP参加に根強い反対がある。政府にとっては国内対策が急務だ。農業の体質強化に向けて、若年層の新規就農の促進などに着手したが、経営基盤強化の要となる農家への直接支払制度の拡充は手付かずだ。
 政府は、昨年10月に決定した「食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」で、農産物価格の値下がり分を補填(ほてん)する仕組み作りを「速やかに取り組むべき重要課題」と明記したが、TPP交渉への参加を正式表明していないうえ、財源の確保も難しく、棚上げされたままとなっている。
(2012年2月22日
読売新聞)

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